俺、一応男ですが?

「驚いた?」

「あぁ」

「ごめんごめん。鍵忘れてさ」

「お前、どうやって家に入るつもりだったんだ」

「だから取りに来たんじゃないか。お邪魔しましたー」

奏テーブルに開いてあった鍵をとって制服のポケットへ無造作に突っ込んだ。


今度は奏を玄関まで見送る。本当は家まで送ってやりたいが、やらなければならないことがある。

「もう忘れ物ないな?」

「んー。ケータイが無いっぽい」

鞄をあさりながら口にする奏。

「さっきいじってたよな?」

「うん。それで机に…」

「取ってくるから待ってろ」

「はーい」

俺はリビングの机に置いてある奏のケータイを手にとって玄関へ戻る。

玄関には俺の姿を見て、少しにやけている奏がいた。

「なんだよ」