「なによぅ、朝から」
奏母参上。
階段を上がり現れたのは奏の母。うん。若々しい。
「翔真の服は?」
「今洗濯機の中よぉ。旅行たのしかったわぁ―」
「翔真にこの姿で帰れっていうの!?」
「…あら、どうしましょう…」
扉の所で繰り出される会話。丸聞こえだ。聞いてていいモノだろうか。
「っていうか、お母さんもう少し旅行してるって…!!」
「旅行先でねー、お母さんの友達がまた旅券当てちゃったの。福引で。今夜からまた行くわぁ」
「どこに!? 何日間!?」
「世界一周旅行」
長いなオイ。その間娘は放置かね?

