俺、一応男ですが?

「………………ほんと~?」

「……」

疑う瞳で俺に詰め寄る奏。だから詰め寄るな。

俺は逃げるように視線をそらす。

「…ま、いいや。とりあえず部屋から出てくれない? 着替えちゃうから」

「…あぁ…っていうか帰るわ。そして風呂に入って昨日の記憶をたどる」

俺、何もしてないはずなんだけど。

俺はベッドから降りて服をさがす。

…あれ?


「服がねぇぇ!!!」

「嘘だ!!」

「嘘じゃねぇよ。ねぇよ!」

俺の服らしきものは見当たらないし、昨日散らかしてあった奏の物も綺麗に整頓されている。

なに!? 何があったのさ昨日の夜!!

「……まさか」


「おかーーーーさーーーん!!!!!!」


え? 帰ってきてるの? あの人。

奏は扉から顔を出して母の名を呼ぶ。