俺、一応男ですが?

「友達とお菓子食べてたんだよねー。おいしかったな…チョコ。今度あげるね」

「夕飯が入らなくなるほど菓子を食うな。太るぞ」

「レディーに失礼だよ?」

「はいはい。すみませんでした」

「じゃ、あとでね。来てくれるんでしょ? 確認しに」

「行く行く」

俺が適当に返事をして手を振ると、奏は小走りで玄関に向かった。


……あいつ、本当に鍵閉めるかな?


大体、俺が言ったことはあまり覚えていてくれないのが奏だ。遊ぶ約束をしても忘れてて遅刻されたことが何度もある。


……やべぇ、すごく心配になってきた。どうしよう。


あいた皿を洗いながら、心配事が尽きずに考え続ける俺。悲しいな。




「翔」




「っ!?」

後ろからの不意打ち。奏が声をかけてきた。今帰ったよな!? こいつ!! なんでいるんだ!!

俺は落としかけた皿をしっかりをつかみ、奏を凝視する。