「ひ、な‥‥」
そっと唇を離して目を開けると、さっきよりもっと目を真ん丸くした裕也の顔が見えた。
いつもはあまり表情を動かさない裕也がぽかんとしてるのがかわいくて、つい笑ってしまう。
「‥‥なに笑ってんだよ」
少し拗ねた顔をして、私を抱きしめた。
「‥‥ひな、好きだ」
「‥うん、私もすき」
私が答えると抱きしめる腕の力がぎゅっと強くなった気がした。
裕也の腕の中は気持ちよくて、ずっとこうしてて欲しくなる。
「‥‥私ばっかり、好きなんだと思ってた」
「はぁ？」
不意に言った私に、素っ頓狂な裕也の声が答える。
