「…浩樹」 妻はお腹に手を当てて僕の腕を掴んでいた。 時計に目をやると、夜中二時。 眠い身体を起こして電気をつけた。 「どうした?」 「陣痛、始まったみたい。」 「え!?」 「落ち着いて。時間はかって、もう少し感覚が短くなったら病院に電話するわ。」 「大丈夫なのか?」 妻は笑顔で、 「ママ、頑張るからね!一緒に頑張ろうね。パパもいてくれるからね」 お腹の中にいる天使に言った。