コスモポリタン

「お疲れさま。」


陸天野の座っていた席を見るとその主はいち早く席を立ち廊下にむかっていてすでに空だったから、
その隣で配付資料を几帳面にファイルしていたメトロポリスの学校からの学友であり幼なじみのエリアに話しかけてみた。


「お疲れさまです、ルーキャスタ。」


2本の三つ編みにした柔らかな金髪と、ライトグリーンの瞳が印象的な小柄な少女はすぐに顔を上げ
ドールのように整った顔にえくぼをのぞかせて見せた。


おっとりとした雰囲気と小動物のようなかわいらしさが女の子らしくて
エリアは同性の私の目から見てもとても魅力的な女の子なのよね。


「ぐあいが悪かったのですか?ルーキャスタ。
少しぼーっとなさっていたようでしたので、心配だったのです。」


ファイルを閉じて立ち上がり
女性にしては身長の高い私の顔を見上げている。


「試験が終わってほっとしたみたい。
合格が決まっただけで、まだまだ本番はこれからだとは分かっているのだけど、情けないわね。」


肩をすくめて見せると、ますます心配そうに私を見つめる緑の瞳。