って、私ったらだめだわ。

なんでまた陸天野の事考えているのよ。


受験が終わって気がゆるんでいるのかしら?

これまで授業中に気が散った事なんて一度だってなかったのに、ロベルトにまで注意されるなんて。


ああ、もっと王女である事を自覚しなくちゃいけないわね。

こんな事では王家の恥になるわ。


だけどその後も、自己嫌悪とそれでもやはり盗み見た先にいる陸天野の退屈そうな横顔で頭の中はいっぱいで、気づけば純一教授の話は終わっていた。


ああ、なんだか分からないけど陸天野は私の天敵みたいだわ。

自分のペースを崩されて、とにかくいらいらする。


「では、これにてお開きじゃ。
明日は我らの校舎であるインフィニティ号に乗船じゃよ。
では代表生の諸君、一年間よろしく頼もう。
健闘を祈っておるぞ。」


学園長が威厳のあるグレーの瞳で私たちを順々に見つめながらほほえんで、この場を閉めた。


そして教授陣が退出すると私たちも、席を立ち近くにいる者どうし互いに話しかけたりしながら廊下を歩いた。