「それにしても、本当に天野君は興味深い。
一目でルーキャスタを魅了した男なだけありますね。
でもまあ僕もだてに彼女と10年つきあってきたわけではありませんし、まだまだ負けませんけどね。」


同性の俺でさえ引き込まれそうなスマイルでわけの分からない事をすらすらと言ってのける美少年を睨むと、いつの間にか円テーブルに乗り出していた身体を戻した。


「あ、これは失礼しました。
そう怒らないで下さいよ、天野君。
こんなにわくわくさせられる人に出会ったのは初めてでつい興奮してしまいました。
僕も君をとても気に入った事には変わりないんです。
許してくださいね。」


って何だよ、こいつ?


「それはありがたいんだけどさ、あんたみたいな美人さんにライバル宣言されたと思ったら今度は告白か?
俺、あんたほど頭良くないから着いて行けないぞ?
それにあんたの友達なんだろうから悪いとは思うけど、あの女やたらムカつくし苦手なんだ。」


何だか変な方向で感情のメーターが振り切れた感じだ。

どうせ変人相手なんだと言う様な開き直りに近い感覚。

いつの間にか、俺もとびきりの笑顔になって、言ってやった。