コスモポリタン

それにしても李?

あ、惑星選抜で1位だったからってやたら嫌みな中国人か。

ったく、無断で人の事ぺらぺら喋るなよ。


確かに3年間は同じ学校に通ってたはずだけど、話をしたのなんて選抜試験の結果が出た日に、

「最下位通過とは言え学校の最下位の君が定刻大学校の入試を受ける事になるなんて、未だに日本人には神風がついているんだね。」

何て一方的に言い捨てて行った時くらいな物だ。


んな奴が俺の何を知ってんだか逆に興味あるけどさ。


そういや、今頃奴は俺の神風を本気で羨んでるのかもな。

ああやっぱ俺、柄でもなく試験がんばりすぎなきゃ良かった。

これで恨みを買ってたら、今後の学生生活に支障が出かねない。


「……はあ。」


気分が沈み、ますます自分の部屋に帰りたくなってきた。


「本当に天野君は栄誉と言う物には興味がないのですね。
代表生になる事を喜ばしいとは考えないんですか?
地球にヒエラルキーがなかったわけではないでしょ?
確か日本には立身出世なんて言う美徳があったんじゃありませんでしたっけ?」


と、美少年は興味津々といった様子を少しも崩さずに、首を傾げる。