コスモポリタン

「なんだか分かるような、分からないような説明だな。
つまり、あんたや王女様は銀行の札束で、俺は道ばたの落とし物なわけか?
それって地球から上位合格者が出るのがそんなに珍しいって事かよ?」


たしかに、首都であるメトロポリスとの学力差は明らかではあるが、惑星間差別はあまりほめられた物ではない。

まあ俺自身はバカにされる事になれすぎるほどになれているから、別に今更傷つくプライドも損ねる機嫌もないのだけどさ。


「いやいや、地球がどうとか言う問題じゃありませんよ、天野君。
青天の霹靂と言うのかな。
君は全く無名な受験者で、優秀だと言う前評判がなかったんです。
だから、皆が聞いた事のない名前を掲示板で見つけて騒ぎになったと言うわけですよ。」


って、この広い宇宙中から人を集めておいて、たまたま名前を知らないやつが上位に入ったからってそれほど騒ぐ事かよ?

「はあ、前評判とかって本当面倒だな。」

ため息混じりの俺に、評論家のような口振りで美少年は言った。


「試験は情報戦でもありますからね。」