あ、もう昼じゃん。

こんな所に2時間もいたなんて虫ずが走るな。

とりあえずホテルに戻ってランチにするか。


不合格だった場合でも帰星の船は夕方だし、昼くらいゆっくりしてても間に合うだろう。


広場の端の石造りの何かの像の台座から腰を上げ、2時間前来た道を引き返す。


白い石畳の道はどこかローマを思わせるなんて、いつだったか何かの本で見ただけで行った事もない地球の遺跡に思いをはせる。


たった2週間でホームシックか俺は?

地球より重力の弱い宇宙ステーションであるここでは、地上に帰る気のある奴は毎日数時間の筋トレが求められるから嫌でも故郷を意識させられる。

にしても、地球に大して良い思いでなんてないってのにちゃんと懐かしいんだから心ってのは律儀なんだな。


「ランチセット、飲み物はホットコーヒー、ドレッシングは青じそね。」


ホテルのラウンジ。

窓際に一人で座り注文をすます。


地球は全宇宙的に見てもグルメ惑星としての評価が高いし、300年ほど前から地球も加わったこの宇宙定刻のエンペラーのルーツは他でもない地球にあるらしいのとで、この宇宙の都メトロポリスには地球料理が多くて助かる。