その日からあたしは怜桜の家に住みついた


怜桜の専属家政婦


"専属"という言葉の響きが少しもどかしかった


でも大好きな怜桜を一緒に生活できることが
なによりも嬉しかった




「波音ー。今日のごはんなにー?」
「今日はねー怜桜の好きな生姜焼き作った!」
「マジか!うまそー。ありがとう」


怜桜はそう言ってあたしの頭をやさしく撫でた


頭を撫でられるとなんだか落ち着く


あたしは怜桜のペットみたいだ




ペットでもいい


家政婦でもいい


怜桜のそばにいられるならあたしはなんだってよかった




そばにいられさえすればそれだけで幸せだった