カイに連れられて来たのはまたしても屋上。
「目腫れてる」
カイに指摘された目を触る。
今朝目を冷やしてから来たのに気づいてたんだ…
「で、昨日何かあったんだろ?」
「な、なんで…」
「何かあった目してるから」
カイの発言に言葉が出なくなった。
「実は、ね…昨日私の親の事話したでしょ?」
「あぁ、DVされてたっていう」
「うん、そのお母さんがいきなり私を引き取りたいって連絡があったの」
これにはいつもポーカーフェイスを被っているカイも目を見開いた。
「なんでいきなり…」
「分かんないよ」
その場で膝を抱えて座り込んだ。
「私、どうすればいいかな…」
独り言を言うような小さな声で呟く。
ギュッ
「カイ?」
カイの温もりが前から伝わり、抱きしめられている事に気づいた。

