初恋-運命の恋人-



翌朝、昨日泣いたせいか若干目が腫れている。
叔父さんも叔母さんも、昨日の事には触れてこなかった。



「サホおっはよ!」


登校中、後ろからヒナノが抱きついてきた。
その後ろにはクルミもいる。


「ヒナノ重い…」

「おはよー」



すると、校門付近でタク達とも合流した。



「サホ、昨日の用事は終わったの?」


クルミの何気ない言葉に、微妙に反応してしまった。


「あ、うん!大した事じゃなかったから…」


苦笑いでクルミに返事する。



「ちょっとサホ借りる」



突然カイが私の腕を掴んで歩き出した。


「ちょっ、カイ!」
「……」



カイは終始無言のまま私の腕を掴んでつかつかと前進する。