「今日カラオケ行かない?」
放課後、ヒナノが目をキラキラさせてやってきた。
「なんで?」
「フフン!なんと、2時間歌い放題券を手に入れました!」
ヒナノは10名様まで無料。と書かれたチケットをひらひらと私の前にちらつかせた。
「ごめん、私今日用事あるからさ…5人で行ってきて」
「サホ付き合い悪くない?」
「ごめんって」
私は5人に謝って教室を出た。
今日は叔母さんに早く帰ってくるよう言われている。その時の叔母さんの顔はどこか複雑そうな表情をしていたと思う。
「ただいまぁ」
「お帰りなさいサホちゃん」
叔母さんは珍しく玄関まできて私を迎えてくれた。
「あ、うん」
「ちょっと来てくれる?」
叔母さんに言われるがまま、私はリビングへ誘導された。

