初恋-運命の恋人-


バンっ!


「サホ!カイ!何2人で消えてんのよ!」



丁度良いタイミングでヒナノが現れ、ヒナノに沢山愚痴を聞かされた。


「ってなわけでクルミのお陰で今回の事は多目に見てくれるって」


さすが理事長の娘。


「そっか、よかったね…」


しかし今の私にはヒナノの愚痴話など頭に入らなく、さっきのカイの行動でいっぱいいっぱいだった。



「どうしたの?サホ。気分悪い?」


クルミがそんな私を見かねて声をかけてくれたが、大丈夫と一言言って立ち上がった。


「そろそろ授業始まるよ」



今日最後の授業くらいは出ようとみんなを連れて教室に戻った。


カイはと言うと、今までと何ら変わらない様子で授業を受けている。

あの行動はもしかしたらそんなに深い意味があったわけでもないのかもしれない。

チラッと隣のカイを盗み見、再び授業に集中した。