「なぁ、俺の初恋相手教えてやろうか」
さっきまで絶対に口を開かなかったカイが、急に初恋の話をしだし、私はカイの隣に座った。
「お前の初恋教えてくれたら教えてやる」
私は悩んだ末、仕方ないかと話し始めた。
「私の初恋は5歳。親戚の叔母さんに引き取られてこっちに来た日」
「叔母さん…?」
「うん、私小さい頃親にDVされててね、見かねた叔母さんが引き取ってくれたの…」
カイは私の話しを聞いて申しわけなさそうに謝ったが、小さい頃なのであまり記憶もなく、さして気にしてもなかった。
「それでその子にに貰ったネックレスがこれ」
カイに半分切れてるハートのネックレスを見せた。
「私が公園で泣いてたらくれたの。名前も知らないんだけど、凄く優しい男の子だったんだ!」
「ふーん」
「カイは?誰?」
カイに約束通り教えて貰おうと顔を近づけた。
「今ので確信した」
「ん?なにが?」
チュ―…
訳が分からず、今私は何をされたのか理解するまでに時間がかかった。
「俺、サホが好きだ」
突然の告白。
いっぺんにいろんな事がありすぎて話しについていけなかった。

