「えっ!ちょっと!!」 アキに腕を持たれたまま引っ張られるように教室を後にする。 「もぉ、グダグダしてらんないでしょ、ダメだったら次を当たらなきゃならないんだからっ!」 「う~~……」 ぐだぐだしているあたしをアキは一喝する。 廊下を職員室に向かっていると、見覚えのある背が高い背中が前を歩いているのが見えた。 「あっ……」 「あっ!!!!氷室せんせー!!!」 あたしが小さく声を漏らすのと同時にアキが声を張り上げる。