初めて見た時、確かに格好良いな…と思った。 だけど、それ以上でもそれ以下でも無い。 ただ単に、客観的に判断を下しただけ。 「えっと、氷室直人です。 4月から3年生の数学を受け持つことになりました。」 マイクを通してスピーカーから聞こえる彼の声。 普段ならおしゃべりばかりしている女子生徒もこの時ばかりは静かに聞き入ってる。 「よろしく」 そういって笑った彼は、全校の女子生徒、半分以上の心を鷲掴みにしたに違いない。