「ユウ――」
「魂だけでもいい。どんな姿でもいい。ここに、いてほしかった。
哀しすぎて、どうにもならないんだ。どうして、俺はいつも――」
そっと、マナはユウの頬を引き寄せ、抱きしめた。
温もりを、伝えるように。
「俺がおじいちゃん達と暮らし始めた時は、もっとたくさんいた。みんな優しかった。とても楽しかった。大好きだった。でも、みんな死んでしまったよ、俺をおいて。おじいちゃんも死んでしまった。もう誰も、いなくなった」
マナには、ユウの哀しみがわかった。
彼を愛しただろう人達の愛、彼が愛しただろう人達への愛が、痛いほどわかった。
「あたしがいるわ。ユウ」
哀しまないでとは、言えなかった。
自分はユウより長く老人とすごしたわけではなかった。
それでも、その死は心に深い哀しみを残した。
愛した人達が自分をおいて死んでしまうのを常に見届けねばならない哀しみと苦しみは、一体どれほどの傷を、彼の心に刻みつけたのだろう。
「あたしが、あなたの傍にいる」
「マナ、あんただけは、俺より先に死なないでくれ。俺はもう、おいていかれるのはいやだ――」
「ええ。約束するわ。あたしは決して、あなたより先には死なない」
ユウの身体は震えていた。
安心させるように、マナはいつまでもユウの身体を抱きしめていた。


