「どういうつもり?」

 マナがいたときとはがらりと変わった、突放すような口調。
 シイナは苛立たしさを隠さずにフジオミを振り返り、見据えた。
 視線を受けとめるフジオミは、さほど気にしたふうもない。まるでなれっこだとでも言いたげに。
「まだマナの〈教育〉は済んでいないわ。計画が完全に終わってもいないし、あなたのことを事前に説明する間もなかった。あの子はこちらが驚くほど勘が良すぎるの。余計な刺激を与えられては困るのよ。一体どういうつもりなの!?」
 強い口調に、フジオミは微笑した。
「いいのかい、マナが見てるよ」
 シイナが振り返ると、慌てたように手を振り、すぐに少女は消えた。
 小さく舌打ちして、シイナはフジオミに向き直る。
「私の質問にまだ答えていないわよ」
「君は確かにこの計画の責任者だが、あくまでもそれは名目上にすぎないということさ。カタオカにも、僕を拘束することはできないしね」