強い想いを感じた。
 こみあげるように。

 あなたを探している。

 様々な感情が漂い、移ろい、とどまることもなく。
 そんな中で、唯一確かなもののように。

 あなたを、探している。

 違う。
 これは自分ではない。
 自分の感情ではない。
 すぐにわかった。
 限りなく近く、それでも重ならない。
 マナは自分がどこにいるのか、なぜ、ここにいるのかわからなかった。
 白く反射する世界。
 ドームの内壁に似ていた。白く、どこまでも白く続く、静かに死に絶えたような世界。
 振り返ろうとした。
 その時、視界の片隅に何かをとらえた。

 背の高い、痩せた男が立っていた。

 その姿を視界にとらえた時、泣きたくなるほどの懐かしさを感じた。
 知らないはずなのに、ずっと昔から知っていたように思えた。

 彼を、探していたのだ。
 彼を、待っていたのだ。

 確信した。
 多分それが、ユカがずっと愛していた男だ。
 顔が見たかった。
 オリジナルであるユカがそんなにも愛した男の顔を、見ておきたかった。
 だが、遠ざかる自分を感じた。

 もう二度と逢えない。

 これが、最後なのに。
 胸が痛くなるほどの愛しさ。
 マナは、自分が誰なのかもわからなくなるほどの強い想いに、ただ翻弄された。