「ハル…止めて…怖いよ…」


小刻みに震えるあたしの肩を、温かい腕が包みこんだ。

反射的にあたしの体がビクッとした。


「蘭?どうしたの?」

心配そうな、涙を含んだハルの声。


ハルが帰ってきてくれた…

何か、そう思った。


「ハル…戻って…くれた…」


突然安心したあたしは、フッと力が抜けた。

そのままハルの胸にもたれかかり、ガッチリしながらも細い腕に全体重を任せた。



ハルはそれをしっかりと受け止めてくれた。


「蘭?蘭!」


ハルの声が遠くなる…


いつの間にかあたしは、すっかり眠りに落ちていた。