捨て犬な彼 ─甘えんぼクンと俺様クン─


道行く人みんなこっちを見てく。


「かっこいい…」

女の子はうっとりして呟く。

「てかめっちゃお似合いじゃん」

え?嘘?今の空耳だよね?


「そっ、そんな…ハルは、ペッ、ペットなんだから…!」


そんな中…


「すっげー!!ねぇ!蘭!俺コレ欲しい!」


ずっと後ろの方からハルの声…

テンションMAXで叫んでる。


「ちょ…ハル!」


表参道で叫ぶって…なかなかの大物…


みんなクスクス笑ってるよぉ~


勘弁してー(泣)


「ハル!買ってあげるから、ね?」


あたしが駆け寄ると、ハルがショーウィンドウを指差す。


「コレ!!すげーかっこいい!俺に付けてよ!」


ハルが指差すお店の看板には「pet shop」の文字。


そして、ハルが指差すのは…よくありげなトゲトゲの……首輪。


ポカーン…

周りの人(もちろんあたしも含めて)みんなそんな感じだった。