美夏は千紘に、今朝、棚の後ろから見つけた紙片を渡した。 それを他人に見せることで、自分の恐れていたことが一気に現実になってしまったような気がして、美夏は自分の脚がふるえ出していることに気がついた。 「どうしたのよ青い顔して。料理、失敗でもしたの? 珍しいじゃん…何これ、日めくりの卓上カレンダー?」 「これ、二〇〇五年五月十日のところにメモが書いてあるでしょ?」 「汚れててよく読めないけど…、これが何なの?」