「瑛、私ずっと瑛から離れない」

「俺も、離さない」

「もうどこにも行かないでね」

「お前も、どこにも行くなよ」

「行かないよ・・・ずっと瑛の傍にいるから」

「絶対だぞ」

「うん、約束する」


恋人つなぎしたまま座り込む。

やっと、瑛が帰ってきてくれた。

長かった悪夢も、もう終わり。

今は瑛と一緒に幸せな夢を見ます。

それが、今の私の願い。






「そうだ、指輪」

「あ、ごめん。私はずしちゃった」

「・・・しかたないよ。別れちゃったんだから」

「・・・もしかして瑛しているの?指輪」

「もちろん。だって真希とのたった一つの指輪だから」

「瑛・・・」

「真希は捨てちゃった?」

「そ、そんなわけないよ!ちゃんとここの引き出しに入れたの」


そう言って真希は引き出しから指輪を取り出した。


「いつか、またはめるときが来ると思って取っておいたの。そして、今日がはめる日」


ゆっくりと指輪をはめた。

キラキラ光るシルバーの指輪。

どんな宝石よりもキレイな指輪。