練習試合、当日、晴久がユニフォームに着替える、中谷「晴久、トランクス履いてるんだ、赤だし」晴久「中谷君は?」中谷「オレは今日、黒だな」池田「スケベか?早く着替えて、準備だ」、池田「自信もてよ」晴久「うん」池田「今日の試合、佐藤は痛い目にあうな、投手の大変さを感じてほしい、頑張れよ」晴久「僕、ユニフォーム初めて、運動靴より動きやすい、これがスパイクなんだ」泉「ユニフォーム、似合ってるよ」晴久「いや」、山下監督「今日の試合はただの練習試合じゃない」中谷「どういう意味?」池田「なるほど、佐藤は今日の試合に勝ったら、投手をやると約束した」小谷「なに」池田「佐藤、約束は守ってもらうからな」晴久「うん」泉「でも手加減して負けるってこともあるんじゃないか?」池田「ないね、アイツは投手やりたい気持ちとサードに逃げたい気持ちが混ざってる、佐藤は自信がないんだ、全力で投げるさ、試したいんだろうな」田尻「もし、負けたら」池田「その時は、サードで4番をやるってさ」田所「まぁあいつの打撃力やミートなら4番だろうし、負けたって、関係ないじゃん」池田「関係あるね、オレは佐藤に投手やってほしいんだ」晴久「池田くん」池田「オレは、佐藤のこと、すごいと思う、俺よりもずっと上手い、オレは佐藤の球、受けたい、サードではもったいない」晴久「ありがと」町田シニア側、野崎高文監督「山下さんから事情は聞いていたが、あの子が佐藤君か?それにしても、体つきはしっかりしているが、ちょっと小さいな」、中津卓巳「あれが八王子の先発か?体つきはしっかりしているが、背がちょっと低いな、軽くホームランしてやるか」、池田「早く、マウンド行けって」晴久「ヤッパリ、僕、怖いて」池田「はぁマウンドに隠れるとこないよ、逃げるな、みんなついているから」泉「大丈夫、打たれたら止めてやる」中谷「打たれないから」晴久「うん」1回表は町田シニアの攻撃、晴久がマウンドへ、池田「落ち着け、佐藤」晴久「うん」晴久「ここが、マウンド、僕が投げるんだ」先頭打者は中津、中津「甘く来たら、いきなり打つ」、第1球目、見送り、中津「速い」野崎「速いなあれで4年生か、間違いなく、100km越えてるな」2球目は空振り、3球目は、中津「外れてる」、ストライク、中津「ギリギリ、そんなマジかよ」、野崎監督「なるほど、中津が三振とは」、池田「いきなり、見逃しの」晴久「三振」、浜崎晃「コントロールいいのは、確かだな、あのキャッチャー、全くグローブ、動かしていない、しかもあの球速で」浜崎は初球を打つが、センターフライ、野崎監督「うぅんツーアウトか」亀山修司「変化球ないんか?何でや?コントロールいいのは分かるけど、球が速い、その2つだけやろ、シニアなら打てるはずや、たかが小学生やろ」亀山はカウントツースリーから、亀山「おかしい、確かに軌道は調整したはずだが、何で前に飛ばんのや」6球目、亀山は空振り三振、亀山「何でや、オレが三振、どうなってんや、こっちがどんなに調整しても、球が芯を外れて逃げていく感じや」晴久「僕、三振取れるんだ」