中学に上がるときに、龍之介が2軒目を建て栃木県に引っ越した。晴久は、日光のシニアチームに入団した。高橋範昭監督「今日から入団する佐藤晴久くんだ」晴久「よろしくお願いします」高橋監督「佐藤君のポジションは投手だ」平田「佐藤ってまさか」平田「よぉ佐藤」晴久「あ平田さん」平田「ようやくエースとスラッガーが揃ったな」高橋監督「なるほど佐藤と平田、かつて…全国大会で対戦してるな」平田「リトルの時は、オレにホームラン2本打たれて、泣いてたもんな」晴久「いやまぁな…悔しくて、平田さんに5点取られたし」平田「でも、晴久の泣いてるとこ…可愛かったな」晴久「それは、恥ずかしいってオレ、自分のこと泣き虫って受け入れてんだ、妹と喧嘩したら泣かされるんだもん、女の子に泣かされるのは屈辱だけど」平田「さすが…それでも、お前はエースなんだぜ」畠「佐藤、お前がピッチャーだな」晴久「はい」畠「オレが正捕手の畠だ、よろしくな」投球練習、畠がミットを構える、畠「コイツが、全国大会での優勝投手だな、確か、まっすぐだけらしいな」晴久の第1球目、畠「インの低めギリギリ、しかも速い」平田「ほぉ、かなり成長してるな」高橋監督「速いあのコースで、どうなってる、神業みたいなコントロールだ」平田「打席、入るわ」晴久「いきなり、勝負なんだ、もうホームランは打たせない」平田「さぁお手並み拝見といきますか」平田「前よりも、ガッチリしてるな」畠「平田吉則、ホームラン王だな」高橋監督「勝負か」伊沢太字「勝負かよ、2人ともすげぇからな」久保田信介「佐藤と平田はリトルの全国大会で1度、対戦してるからな、その時は、平田が2本のホームラン打ってるからな」晴久「怖くない」、初球は空振り、高橋監督「131kmか速いな」平田「なるほど」、晴久「空ぶった」2球目、見送り、畠「よし、追い込んだ」久保田「追い込んだな」平田「やるな」晴久「ツーナッシングだ、あと1球だ、オレは、負けない」3球目、ギリギリ外れてボール、畠「手出してこなかった」4球目、カット、5球目、カット、平田「気に入ったぜ、佐藤、お前はエースなんだ、だけどオレは、負けないぜ」6球目、平田は打ち返し、晴久「はっあ」平田「よしいったぁ」、打球はホームラン、晴久「やられた、悔しい」高橋監督「ほぉ今の球、133kmか中1でこんな球、投げる奴は見たことないな」久保田「すげぇ…信じらんねぇ…あの球をホームランするなんて」晴久「あ平田さん、やっぱりすごい」平田「佐藤、泣いてないな」畠「大丈夫か?佐藤」晴久「うん、オレ、大丈夫だよ」平田「佐藤、泣かなかったな?」晴久「うんオレ、平田さんにホームラン打たれて悔しかったけど、次は打たれないようにもっと頑張らなくちゃあ…」平田「そうかまぁ次も打つがな」