２回裏、群馬リトルの攻撃、１死で晴久は連続ヒットを打たれ、１、２塁となった、池田「すごいな優勝チームともなると佐藤の速球にもついてくる」晴久「相手は日本一のチームなんだ、多少は打たれる」、打者はピッチャーで４番の相沢を迎える。池田「こいつ、エースで４番かよ、打率４割超」晴久「ピッチャーどうし、負けたくない」、１球目、晴久は内角ギリギリの速球でストライクを取る、２球目、外角ギリギリの高めの速球が来た、相沢「来たー、外角」、相沢が打ち、晴久「あ」ボールはライトスタンドに飛び込んだ、晴久「あホームラン」池田「そんな、スリーランホームラン、ライトスタンドに、中学野球でもホームランになる距離、何なんだよ、あの速さでコースもギリギリの厳しいとこだったのに、あの飛距離」晴久「やられた、無理だ、僕なんかでは抑えられない」池田「あ‥‥」泉「晴久」、池田「泣いてんのか佐藤、まずいな」桐山「八王子のピッチャー、泣いてんな」相沢「マウンドで泣くのか、投手にしては卑屈だな、ならこのまま追加点を入れてノックアウト出来る」池田「泣いてんのか？晴久」晴久「あ泣いてないよ、目にゴミが入っただけだよ、あれだけ運ばれるとやっぱりしんどいな」山下監督「まずいな、崩れたな、佐藤が崩れたら試合は終わってしまう」田所「ドンマイ、晴久」晴久「田所君、打たれちゃった」田所「気にするなよ、俺たちが取り返してやるから」泉「ナイス、晴久」晴久「泉くん」伊藤「俺なんか県大会で打たれまくったぞ、日本一の相手なら文句ねーよ」中谷「打たせてけー俺たちがアウトにしてやるから」晴久「ありがと」坂口「ガンバレー、群馬なんざ怖くねー」高坂「３点差なんぞたいしたことねーぞ、ガンバレ佐藤」茂島「こっちも向こうから長打で１点取ってんぞ、行けるでー」小谷「ファイト、晴久、ど真ん中放り込んだれ」、桐山「立ち直った」相沢「そう来なくっちゃあな」須藤「立ち直ったって、こっちは日本一の打線なんだ、しかも上位、打てる」、１、２球目はカット、３球目、須藤「速い、入ってるか」、須藤は見逃し三振、須藤「何ギリギリ」、桐山は４球目を打ったがサードゴロに倒れた、桐山「詰まらされた、あのコースであの速球、打てねぇぞ」、鈴下監督「ほぉ、立ち直ったか？マウンドで泣くわりには、タフやな、開き直ったかい」坂口「ナイス、ピッチ」晴久「１−４か３点差もある」茂島「気にするなって」、３回表は相沢の前にノーヒット、裏、立ち直った晴久は厳しいコースのストレートで３人を三振、４回表は茂島や池田の長打で２点を返す、３−４、晴久「２点返した。みんな」しかし打線が繋がらず、４回裏はランナー１人出すが無得点に抑える、５回は互いに打てず三者凡退、６回に突入した、晴久「最終回だ、僕が打たれたせいで負ける」池田「気にするな」鈴下監督「八王子の佐藤、完全に立ち直ってるな、この１点を守り抜けば優勝だ、気抜くなよ相沢」相沢「はい」ベンチ、田所「泣いてるな佐藤のやつ」坂口「佐藤は負けず嫌いで負けるのが悔しくてしょうがないんだ、でもオレ、そういうところ長所だと思ってる、晴久、絶対お前を負け投手なはさせない」池田「ホームランも打てる、球も速いしコントロールも天才、守備もいい、実力は認めるけど、あーゅうすぐ泣いていつまでも同じことで、すねてウジウジして、ムカつく、けどそれがアイツなんだ、優しくて悪い子じゃない」池田「オレは投手という生き物は好きじゃないけど、お前は例外だよ、だから勝たせてあげたいんだ、相手が日本一だろうと関係ない」