4月14日、池田「去年の立てこもり事件のニュースやってたよ」晴久「うん、知ってる、4年後には出てくるって」池田「ケガでトラウマとかなっていないか?」晴久「大丈夫だよ、治療したから」山下監督「18日に町田シニアと練習試合組んだから」池田「町田シニア」山下監督「町田シニアといっても、中学1年とだけど」泉「町田シニアって去年の東京大会で優勝して全国大会出て、ベスト4までいってんじゃん、サンドバッグにされちゃうよ」中谷「どうしてワザワザ、そんなとこの二軍と試合するんだよ」山下監督「佐藤君に先発してもらうためだから、勝って佐藤君に自信つけてほしい、それだけ、夏の大会まで3回練習試合組んであるから」晴久「よかった、僕、全国レベルのシニア相手なら絶対負けるし、投手やらなくても」山下監督「負ける、何?言ってるの、試合しないと分からないでしょ、それにここは少年団じゃないよ、うまいからって、特別扱いはしません、投手としての、適性があると思われる以上、投手やってもらいます」晴久「ひぃー」、夜、池田は二宮悟史という人物に電話を掛けた、二宮悟史「八王子リトルの池田って」池田が事情を話した、二宮「はい、見に行きます」二宮「池田さん、晴久は悪くないんだ、俺が打たれてばかりいるから、晴久が怒っちゃったんだ」池田「それは分かった」池田は電話を切り、池田「佐藤のやつ、投手やったことも無いくせに、打たれたからって、バカにしやがってムカつく佐藤に教えてやる、泣いてもらうからな、体で教えてやる、全国シニアで良かった」、練習試合前日、山下監督「昨日話してた、町田シニアとの練習試合のことだけど、1軍の選手を3人、入れると連絡あった」中谷「ウソだろ、一軍半相手に、無理だろ」小谷「そうだ、佐藤は確かに球速いけど、シニアの全国レベルは無理だろ」宇佐美「しかも、投手経験ゼロ、公式戦はおろか練習試合ですらない」泉「いや、勝てると思うよ」中谷「はぁ泉って、天才なのそれともパーなの」山下監督「それとルールについてだが、マウンドからホームまではリトルリーグでは14mだが、明日は18m」中谷「なに?」山下監督「塁と塁のあいだは今まで通り18m、ホームランになる距離は90m、まぁそんなもんだ」中谷「ちょっと待ってください、監督、4m長いのは明らかに投手が不利じゃないですか?向こうは中学生なんだし、18mに慣れている」小谷「そうだ、サンドバッグにされにいくだけだ、佐藤がかわいそうだよ、ただでさえ、弱虫なのに」山下監督「大丈夫だ?佐藤は負けんよ」中谷「なに」山下監督「相手が手強ければ手強いほどいいんだ、相手にとって不足はない」斎藤「不足だらけじゃんかょ」池田「いや、佐藤は勝つよ、紙一重の試合になるな、アイツの努力はすごいんだ、18mだろうが、関係ねぇよ、オレは佐藤に投手やってほしいんだ、練習試合に勝てば佐藤は投手をやると約束した、負けたらサードで4番でな、負けると分かっている試合なら、やらないさ、負けたら意味無いからな」小谷「池田」晴久「僕、全力出すよ、勝ちたい、みんなで、僕に投手がつとまるか試したい」中谷「佐藤」田尻「ふん」山下監督「そうこなくっちゃ」30分後、小谷「監督、池田、町田シニアとの試合に勝てば、佐藤は投手やるっていう約束、ちょっとそれは、佐藤は投手やりたくないみたいだし、そんな約束したって、佐藤が手抜いてわざと打たれれば意味無いし、それ以前に全国レベルの中学生に勝てるはずが」池田「心配するな佐藤は本当は投手やりたい、その気持ちが痛いほど伝わってきたよ、佐藤の送球受けてはっきり確信持てたんだ、佐藤は全力でいくはずさ」山下監督「それに、今度のシニア相手の試合は勝てるよ」小谷「確かに、佐藤は球が速かった、でも変化球ないし、ただ球が速いだけなら」山下監督「そうだただ球が速いだけならな」小谷「まさか…」池田「完璧なコントロールに速い球に、佐藤にはもうひとつある」小谷「高校野球見ていて」池田「現時点でははっきりしないが、魔球と呼ばれた」小谷「ままさか…ジャイロボール」池田「その通り」小谷「中谷が異様に手元で伸びて打ちにくいとか言っていたのは」小谷「でも、まってよ、小4でそんな球投げれるなんて」池田「完全ではないよ、でもジャイロボールに近づいているのは間違いない」小谷「でも、小4で何で?そんな球投げれるんだ?」山下監督「佐藤君は確か、ピッチャー未経験だったな」池田「野手なら、投球指導を受けたことがない」山下監督「そうなれば、当然だが、投球練習、フォームは自己流になるな」小谷「なるほどな」

