延長11回表、八王子は熊坂、泉、田尻の連続ヒットで1点奪う、(8−7)、晴久「みんな」晴久が2球目を打つが、レフトがキャッチ(ツーアウト)、田尻「飛距離は十分だぜ」田尻がホームインし(9−7)田尻「9点目」池田は三振、11回裏、晴久「池田くん、この回、4番に打席来るよ、僕、平田さんに全打席打たれてるし、もうこれ以上点とられたくないよ、歩かせよぅ」池田「勝負しろ」晴久「僕、平田さんに5点取られてるし」池田「悔しいだろ、同じヤツにホームラン2本打たれて、長打、全打席で打たれてるんだから」晴久「僕だって悔しい、でも、強い方と勝負したら、弱いほうが負ける」池田「お前は弱くないって」晴久が泣きそうになる、晴久「僕、7点取られてしまって」池田「さずかに自責点7はきつかったな」池田「泣くなって、大丈夫」平田「佐藤が泣きそうになってんな、よし」平田はいきなり素振りを始めた、池田「あなんだ」晴久「あ平田さん」山下監督「なんだこの音は?」小谷「すげぇ素振りでこんな音出るのかよ」泉「怖いなピッチャーはたまんないよ佐藤大丈夫かな」中谷「挑発かよ」晴久「すごい平田さん僕、ホントは怖いでも平田さんに勝ちたい、逃げたくない」池田「ただの挑発だ気にするな佐藤」晴久「池田くん、僕、勝負したい、ホームランなんて怖くない」、池田「ランナーいなかったら、ガチンコの真っ向勝負な」、打者を2人三振に取る、市原「すまん、速すぎて打てなかった」平田「オレに任せろ、3本目打って、まず1点差だ」平田は相変わらずの木のバットで打席に立つ、池田「全打席、木のバットかよ、いかにも打ちますってオーラ出てるな」晴久「僕、この人に5点取られてるけど、怖くない」平田は初球をフルスイング、晴久「あ」打球はギリギリファール、泉「なにあの飛距離」小谷「俺、佐藤の立場だったら、無理やて、ホームラン2本打たれたら、マウンドから逃げ出すよ」池田「ヤバイな敬遠すべきだったか」晴久「大丈夫だよ、池田くん」2球目はインコース高め、空振り、平田「ほぉ、やるな」球速は117km、平田「あのコースで117か?速いな、でも変化球がなきゃあ俺を打ち取るのは不可能だ」3球目、打球は再びギリギリファール、泉「こえー」田尻「ヤバイな」池田「ここでホームラン打たれても1点差、次からは下位打線だしな、それでも食らい付くのが、怖いぜ」4球目、平田はカット、平田「前に飛ばせない」119kmと表示、平田「11回でこの速さ、いや130以上に感じるぞ」、晴久「もう打たれたくない」5、6球目もカット、平田「なんて、球威だ」7球目、平田の意地のひとふり、打球は伸びる、晴久「あまた」しかしレフトの小谷が仮設フェンスギリギリでキャッチ、試合終了、平田「バカな」平田「なに」バットが折れていた、120kmと表示、平田「アホな120」平田「いい投手だぜ佐藤晴久」八王子が9−7で勝ち、準決勝進出を決めた、晴久「勝った」池田「ナイスピッチン」晴久「池田くん」、帰り道、バスの車内で、晴久が泣きそうになっていた、泉「佐藤、今日の試合は悔しかっただろうな」池田「佐藤」晴久「池田くん」池田「辛かったな、同じ打者に5点も取られて」晴久「僕、平田さんにサンドバックにされたよ、平田さんはすごいよ、悔しくて、涙が」池田「我慢しなくてもいいよ、慰めてやるさ」晴久は大泣きしていた、池田が慰める、晴久「い〜けだく‥ん」晴久「僕、もっと頑張る」小谷「佐藤って、負けず嫌いでプライド高いな」池田「それにしても、よく泣くな」晴久「でも、最後の打席でレフトフライに打ち取ったのは良かった、少し自信がついたよ」田尻「俺が一番苦手なポジションが投手だよな、投手だけは無理だよ、ホームラン打たれたら、シャレになんねーよ、それに点取られて、負けたら、と思うと怖いよな」泉「でも佐藤は気弱くて泣き虫、ビビりでも、全国大会で投げてるよな、佐藤って変わってるよな、いくら実力あっても、キツいよな」中谷「佐藤はもともと、ポジション、サードやってたし、内野手ならエラーしない限り、それほど責任重くないしな、でもピッチャーは違う、ダイレクトに勝敗に響くもんな、ミス関係なしに強い相手なら打ってくるし、しかも舞台が全国大会と来ちゃー、マウンド行くだけでも怖くて震えるよ」田尻「確かに」小谷「秋大からは、オレも投げるんだよな、監督から言われたし、怖いよオレ」小谷「しかもオレ、佐藤みたいに球速くないし、ホームランなんか打たれたら、マウンドから逃げ出したいよ、俺が平田と勝負したら全打席。ホームランだろうな、いや全打席、敬遠してまうか、ハッハァッハ」