12月24日、合宿が始まった、山下監督は晴久以外を呼び出した、池田「監督、晴久は?」山下監督「佐藤君についてなんだが」泉「佐藤が?」山下監督「佐藤君の好き嫌いや生活をみんなで、直すのを手伝ってほしいんだ」泉「えなにそれ」小谷「そんなもん、自分でなんとかするもんじゃないか?」池田「いや、あのウジウジが出来れば、苦労ねぇよ」山下監督「頼んだよ」一同「おぅ」池田「佐藤は大事なエースだからな」中谷「しかも、オレより打つし」池田「はぁーい、佐藤君」晴久「妙に優しい」、晴久「どうしたの?池田君」池田「晴久くんは食べ物の好き嫌いある?」晴久がキョドる、晴久「いや、それは」泉「キョドっている、いつもとは違うキョドりかただ」池田「あるよな」晴久「ううん」池田「みんなで協力するから、好き嫌いをなくそうね」晴久「いや、野球には関係ないよ」池田「関係ある、野球うまいだけじゃ、勝てないよ、体調管理出来ないようじゃ、いけない」晴久「でも」池田「佐藤、それに好き嫌いのどうにか出来ない、そんなんで、日本一になれると思う、優勝したいんでしょ」晴久「うん、僕がんばるよ」食事の時間、晴久の嫌いなものが多かった、晴久「ぅわ、池田君」、池田「佐藤、俺たちはお前のおかげで全国2位になれたんだ、今度は」田尻「俺たちはまだそのカリを返していない」池田「今日から、そのカリを返す」、池田「厳しくいくぞ」晴久が吐きそうになる、池田が叱る、晴久が泣きながら食べる、池田「どんだけ、好き嫌いあるんだよ」泉「池田は本気なんだよ、バッテリー組んでるものとしての気持ちが伝わってくる」晴久「池田君」池田「食べろ」2時間ほど続いた、就寝前、布団に入る、池田「佐藤、悪かったな、つらいことさせて、2時間も泣かせてしまって」晴久「いいんだ、池田君、僕がだらしないから、明日もお願いね」池田「佐藤」晴久「僕、自分ではどうにも出来ない、助けてくれてありがとね」池田「ふん任せな」、翌日も朝食から30分ほど続いた、池田「昨日に比べれば少しずつ、嫌いなものまで、手をつけている」吐きそうになる度に、池田が怒鳴る、晴久は泣きながら食べる、練習で、晴久「いつよもり、スッキリしてる」投球練習、池田「球がいつも以上にキテる、食事か?」池田「ナイス!ピッチン」晴久「池田君」中谷「佐藤、この前より、何か、ウジウジが減ってんな」それから毎日、好き嫌いの特訓を重ねた、晴久は泣きながら、必死に頑張る、田所「エースらしいな」山下監督「さすが、エース」29日、山下監督「佐藤君、調理のスキルは初心者ね、でも」調理に関しても池田が晴久に指導した。晴久「家では、親父がインスタント食品や寿司、買ってくるから、調理したことないんだ、味付けも適当だし」池田「マジかよ」池田が怒鳴る、泉「池田がまた怒ってんな」斎藤「おに、軍曹、池田」田所「さすがバッテリー、仲いいね」池田「泣いたって、意味ないぞ」泉「佐藤、毎日、泣いてんな、何回泣いてるか、分かんないよ」泉「メンバーの半分は池田に泣かされてるからな、怖いよな声でかいし、一番泣かされているのは佐藤なんだけど、そのわりには、くっついてるよな」、食事が終わり、泉「池田、どうやった」池田「大変だよ、叱ると、泣き叫ぶし、ウジウジするし、でも嫌いじゃないけどな」池田「オレは投手に対して、今まで、いいイメージはなかったが、佐藤と出会って、変わったんだ」泉「オレもそう思う、佐藤がいなかったら、全国行けなかったかもしれないし、アイツが苦しいときは俺たちが痛みをわけてもらうぐらいするさ」晴久「池田君、怖いけど、僕のために、必死になってくれる」9時過ぎ、泉「佐藤は?」泉が見に行くと、晴久は寝ていた、泉「かわいいな」