試合は5−5の同点で延長15回に入った。15回表、熊坂が三振、晴久は2球目を打ち、太田「な」田本「あ…」池田「入ってくれ」晴久「イケー」しかしレフトの崎森が仮設フェンスギリギリで取り、アウト、晴久「‥‥」泉「マジかよ、いい当たりだったのに」小谷「風に押し返されたんじゃないか」太田「助かったぁ」田本「ナイス崎森」田本「あとアウト1つでうちの負けはなくなるんだ、しのげ太田、八王子のホームランバッターを打ち取ったんだ、大丈夫」太田「佐藤を打ち取れた、このまま再試合に持ち込んで見せる」晴久「ごめん…あと少しだった」中谷「任せな、お前は14イニング完投してんだぜ」晴久「中谷くん、頼むよ」中谷「あぁ」池田「4番、中谷、決めろ」中谷「池田」、田本「ツーアウト、ランナーなしで4番か?まぁ佐藤と同じホームラン打てる打者だが、ミート能力は佐藤より低い、怖くないな、初球から変化球混ぜれば、アウトだ」太田「初球はシンカー」中谷は初球を空振り、2球目のシュートも空振り、池田「クソ打てないのか」太田「あと1球だ」、田本「ラストはフォークだ」中谷「落ち着け」中谷「4番なのに、投手に打席では負けてらんねぇーだろぉ」中谷はフォークを打ち返し、太田「な」打球はレフト、センター間を抜けた、中谷は二塁へ、田本「打ちやがった」晴久「中谷くん、二塁打」、晴久「池田くん」池田「佐藤、オレは打って、中谷を返す、任せろ」晴久「うん」池田が打席へ、池田「勝ちたい、佐藤にばかり、美味しいとこは持っていかせない」太田「コイツはあまりバッティング器用じゃない、フォークだけで十分だ」太田「おぅ」池田は2球続けて空振りし、3球目はボール、田本「よく、見たな」4球目は打ち上げてしまい、泉「あー」晴久「‥‥‥」しかし、ファーストが間に合わず、池田「助かった」、5球目、池田は打ち返し、ライトが取れず、長打、太田「なにぃ」晴久「池田くん」小谷「帰れるぞ」田尻「ホーム、行けるーぅ」中谷「勝ち越しぃ」晴久「6点目だ」田本「5−6、嘘だろぉ」小谷はピッチャーゴロ、畠山監督は選手を集め、畠山監督「この展開を予想していたヤツはいるか?」太田「いいえ」田本「いいえ」池内「してませんでした」畠山監督「そうだな、まさか全国大会初出場のチームが、ここまでやるとは」崎森「正直…相手のチームの先発を舐めていたとこはあります、先発の佐藤は元サードの4番打者、何十点でも取れると考えていたとこはあります。もちろん、舐めていたつもりはないはずでしたが、やっぱり夏は怖い」畠山監督「そうか気にするな〜1点差だ、まず1点返してもよし、明日の再試合に持ち込んでも最悪、構わない」 岩手「いえこの回で2点以上取って決勝に行きたい」畠山監督「そうか佐藤はよくホームランを打つ打者だよな、その佐藤が仮設フェンスを越えられなかった、決して甘い球じゃなかった、どういうことか分かるか」村松「はい佐藤は14イニングの完投で手が疲れて打撃力が落ちて、若干バッティングに」畠山監督「分かっているじゃないか?つまり球速もコントロールも落ちている、どんなにすごいスタミナがあっても、限界があるんだ、まぁ試合が終わってみれば、決勝で群馬とやるんだ、打ってこい」一同「はい」15回裏、晴久「ここを抑えれば決勝に行ける」池田「落ち着けよ」打者は崎森、崎森はファースト抜けるタイムリー、無死一塁、畠山監督「よし」晴久「いきなり打たれたけど、まだランナー、一塁」畠山監督「ひっかけまわせ」村松「決勝へ行きたい、絶対打つ」村松への1球目で崎森が盗塁、池田「ストレート、2割落ちてるな」晴久「足の踏ん張りが甘い、僕、疲れてきてる、でも」山下監督「ふんばれ佐藤」村松は2球目を見送り、村松「入ってたか」3球目、晴久「打たれたくない」村松は空振り三振、村松「クソ打てねぇ、何でだよ」111kmと表示された、村松「速い」畠山監督「やるな佐藤」村松「すいません…監督」畠山監督「いいスイングだったぞ」畠山監督「111kmかすごいな、もうフラフラのはずなのに」岩手「オレは6年なんだ、4年生投手に抑えられるわけにはいかない」岩手は初球を打ち返し、崎森が三塁へ、池田「センター抜けてたら、同点だったな、アブねぇ」晴久「ワンナウト三塁、一塁、ヤバイよ」晴久は座り込み、晴久「そんな、無理だ」池田「投げられないなら、打たれちまえ」晴久は立ち上がり、晴久「負けたくない」林「ワンナウト、三塁、内野安打でも同点、打ってやる」林は三振、4番の谷川を迎える、晴久「4番の谷川さん、無理だ」谷川は初球をギリギリファール、晴久「あ怖い、打たれる」田尻「ツーアウトぉ」小谷「取ったら、決勝だぞぉ」中谷「佐藤、最高の球を投げてやれ」泉「頑張れ…エース」小谷「お前の球なら打たれても文句ねーぇよ」中谷「ケリつけたれー」池田「オレも文句ないな」晴久「みんな」晴久「僕、パワー全開の全開で、谷川さんに勝つ」谷川「勝つんだぁ」打球は、泉が走る、泉「取ってやるぜ、佐藤」