冬の極寒の中 2匹のペンギンが 愛を交わした。 半透明の卵が産まれ うっすらと 小さな赤い心臓が ゆっくり、ゆっくり、 鼓動しているのが見える。 氷に囲まれ 光の届かない世界で その赤い輝きは、 ほのかな希望なのだ。 2匹の周りには 氷と同じ温度のペンギンが 無数に倒れている。 吹き荒れる ブリザードの中、 冷えた身体を横たえた 無数の屍は 目を開けたまま 時間と共に 白く、白く、埋もれていく。 2匹は身を寄せ 赤い輝きを守る。 その先に 何も無かったとしても。