公園のベンチで由紀を待つ一樹。

「一樹っ!!はぁ……はぁ……」
「走ってきたのか?」

「話って……」
「とりあえず座って落ち着こうよ」

二人でベンチに座り、しばらく時が流れた。
「俺さ……最近おかしいんだ。何も手に付かなくて… 寝ても覚めても考えちゃうのは由紀の事なんだ。さっき美紀ちゃん達に会って言ってたよ。お姉ちゃんが最近変だって……電話掛けたそうなんだけど止めちゃうってな」

「えっ!?」

「勝手に由紀が電話したい相手が俺なら良いなって思ってた。俺が最初に麗華に来たときはさ、由紀とは顔合わせれば喧嘩してたのにな♪」
「一樹……もしかして…」
「あぁ。俺は由紀が好きだ」

--うそ……私、告白されてる……
「ご……ごめん。私じゃダメだよ……一樹にはちゃんと見てくれてる人がいるんだから…」

「えっ……」
「ねぇ一樹……最後にキスしよう。何もなかった事にしよう?私は何も聞いてないし、一樹は
何も言ってない……今まで通りクラスメイトになろう」

そういうと由紀は一樹の唇にキスをした。

--フラれた。この唇が離れたらクラスメイト……泣けてくる。私じゃダメって他に誰がいるんだよ……見てくれてる人って誰だよ。

しばらくして由紀は唇を離した。
「じゃあね……」

由紀は再び走って公園を飛び出した。