自分の部屋に戻った由紀は携帯を見つめていた。
ディスプレイには羽田一樹の名前と電話番号が出ている。

--一樹が麗華に来たとき、こんな事になるなんて思わなかった。
アケミと私、美紀まで助けられて一樹を信用出来た。

アイツはいつもまっすぐで、サッカーバカで……優しくて……仲間想いで……
「大好き………」

--でもメイがいる。メイは一樹が好き。


「お姉ちゃん……大丈夫?」

「はぁ~………」
由紀は携帯を置き部屋に入ってきた美紀に気付く。
「美紀、どうしたの?」
「ママがお姉ちゃんにお薬持って行きなさいって」

「ありがとう。大丈夫だよ」