「当たり前だ♪」

「カズくん。もう起きる?」
「動いて平気なの?」

「あぁ。腹へった……」
「羽田くん♪いっぱい買ってきたよ」

「お~助かるぜ~いっただきま~す」

「カズくん。大丈夫なの?」
「ん~。まぁもうすぐ夏休みだしゆっくり休むのはそれからでもいいだろう♪」

「一樹もよくやるよな。球技大会にここまで頑張れるんだから」
「言っただろ。卒業までに楽しい思い出で埋め尽くすって」

「カズくん……」
「あっ!そうだ!着替え持ってきたんだ♪ちょっと着替えてくる」

「ちょっと待って!外はダメよ。他のクラスがあんたを追いかけてる」
「ま……マジ?」

「ここで着替えなさい。私たちは全員後ろ向いてるから」
「そっか。わりぃなみんな」

汗を吸って重くなったTシャツを脱ぎすて新たに袖を通した一樹。

「みんなで揃えたのに俺だけ着替えちゃって悪いな。でも、俺達の代わりの絆……着替え終わったよ」

次々に振り返るクラスメイト……そこには…
「わぁ♪」
「やっぱり似合うね」

「それは……あのときの」
「あぁ。俺の退院祝いにみんなからもらったユニフォームだ。サイズぴったり♪動きやすいぜ」

笑顔を見せるクラスメイト達にも疲れは消えたように見える。

『お知らせ致します。5分後、グラウンドにて2年A組対2年C組のサッカー決勝戦を行います。出場選手は速やかにお集まり下さい』

「始まるな。じゃあ行くか!」
『おぉ~~!!!』