「なぁ尾崎……実際家まで探して俺はどれくらい疑われてる?」

「朝からあんたに張りついて、家を探すって言った時、あんたは動揺一つ見せなかったよね。私の中では限りなく白に近いグレー。まだカンペキ白ではない」
「ハア……なるほどね。後は俺の潔白を証明するには、この監視下の状況でもう一度事が起こるしかないのか……」

「そんな事!!」
「分かってる!!そんな誰も得しない方法を待つ程俺はクズじゃねぇ」
「あんた…まさか」

「乗り込む!!俺は犯人じゃないって俺が一番良く知ってる。それに、罪をなすりつけられたまま黙ってる程俺は優しくねぇんだ。」
「羽田……」

由紀も何かを決心したように一樹をまっすぐ見つめ……
「私も行く。あんた1人で入って見つかったら言い逃れ出来なくなるでしょ」
「さすがに危ないって。それに、敵が何人かも分かんないんだぞ?」
「だったら尚更よ。私はクラスメイトに1人で戦わせる程クズじゃないの!」

「尾崎……」
「分かったならホラ。さっさと買い物済ませて帰るわよ。羽田っていつも何食べてんの?」
「う……スーパーの弁当。俺、料理出来ないから」

「はぁ?あんた体壊すよ?しょうがないな~今日は私とアケミが作ってあげるよ。急に押し掛けて迷惑かけちゃったからね」
「ありがとう」