地獄のハーレム

「ここが一樹ん家……一人暮らしならアパートだと思ってた」
「昔、住んでた家だよ。メイちゃんは知ってるからアケミ達にも話してるのかと思ってたよ」
「聞いてなかった。まぁいいわ…探すわよ!お邪魔します!!」

丁寧に靴を揃え中に入った由紀。

ーー律儀だなぁ。仮にも疑ってる奴の家に入るってのに…
「勝手に探してて良いよ。俺はテレビ観てるから」

アケミは2階、由紀は1階を探し始めた。
最初はテレビを見ていた一樹は、いつしか静かな寝息を立てて眠ってしまった。

……………
………


ーー7時か……だいぶ寝ちゃったな……
「アケミ~何か見つかったか?」

「おっ!一樹が起きた♪何も見つからねえよ」
「そっか。尾崎は下か?」
「あぁ。まだ探してるみたいだ」

一樹は頭を掻きながら階段を降りると、由紀がクローゼットに半分入り込んでいた。

「尾崎……買い物行ってくるけど……」
「そう言って学校行く気ね?私も着いて行く」

「腹減ったからスーパー行くだけだ。着いて来たいなら勝手にしろ」
「アケミ~!!ちょっと1人で探してて」