「じゃあ帰るね」
「あぁ。こっちは見たとおりまだまだ大変だけど、何とかやっていくから♪」

「彼女出来たらちゃんと見せに来なさいよ~」
「アメリカまでかよ……ほら、搭乗始まったよ」
「じゃあまたね♪」

最後まで手を振る母親を見送り、一樹は家へと帰って行った。

……………
………
……

ピンポーン

「ん?」
ーーそうか帰って来て寝ちゃってたのか……メイちゃんかな?

「カズくん♪あれ?寝てた?」
「おふぁよ……」

「あはは♪もう夕方だよ~ほら、着替えて着替えて~出掛けるよ」
「ん?出掛ける?」

目をパチくりさせて、不思議そうにメイを見ると…

「ナイショ~行ってからのお楽しみだよ」

ーーどこ連れて行かれるんだか……
「りょうかい。5分待ってて」
「うん。」

一樹が出て来るのをニコニコしながら待っていると、玄関のドアが開き、一樹が出て来た。

「お待たせ」
「じゃあ行こうか。」