――俺がみんなの傷を深める?さっぱり分からん……
「あの……前に何かあったんですか?」


「悪いが自分で調べてくれ……僕からは何も言えない」


――何があったんだ……

「毎日病院に通うって約束出来るなら明日、君の退院を認めよう」
「学校終わりに必ず来ます……」

「分かった。今日はゆっくり休んで朝に退院しなさい」

アケミの父親が部屋を出た後もしばらく考える一樹……

「あ〜!!ダメだわかんねえ!!もう寝るか」

……………
………


朝を迎え、一樹の病室にも光が満ちた頃……

――結局一睡も出来なかった。
「お世話になりました……」

「ちゃんと病院に来るんだよ」
「はい。」