「そういやさっき何か言いかけなかった?」


「あぁ…あれね。羽田って信じられる人かな……って」


「信じるか信じないかは自分次第だろ?何か都市伝説みたいになっちまったけど……俺は『好き好んで女子高に転校してきた』って思われてる内は、誰にも信じてもらえないのは解ってる……」

「分かってるわよ。あんたサッカーしてる時、すっごい楽しそうだもん……夢捨ててまで来ないって思えるから」


由紀はリンゴの皮むきに集中しながら、話を続ける。

「だから信じるよ。絶対裏切るような事しないでね?」


「あぁ。尾崎達が何に怯えてるかは知らないけど、俺はみんなの味方でいる♪悲しませる様な事は絶対しないよ」


「あと何かする事ある?」

「そうだな〜じゃあリンゴ食べさせてくれる?」
――いつもの尾崎じゃねぇから何かおかしい。これなら怒ってくれるはず……

「……いいよ」