病室は静かで、手前からひとつずつ見ていく。

――佐々岡……違う。熊井……違う。羽田……
「あった……」

胸が高鳴り、恐る恐る中を覗くと……
「居ない……まさか……ダメだったの?うぅ……うぅ…うわぁああん!!」


「だ〜チキショ〜おっちゃん!売店に充電器売ってなかった〜」

「だから言ったろ〜♪あんちゃん、さっき可愛い彼女が入ってきたぞ。何か泣いてるみたいだが……それにしてもあんちゃんモテるねぇ」

――彼女?いねぇよ……メイちゃんならさっき帰ったし……アケミか?いや……おいおい…俺は夢でも見てるのか?
「お……ざき?何してんだ?」

「……え!?羽田……良かった〜!!」

――やっぱり夢だ……コイツが俺に飛びついて泣いてる。
「まぁ落ち着いて座れよ。学校……早退してまで来てくれたのか?」

「……うん。」

「まさか尾崎が来るなんて思ってなかったよ……」