――このままで良いのか?何か婆ちゃんにすっげー期待されてるけど……
「なぁ……俺、お前に何かしたか?」

「別に……私は男が嫌いなの。それだけっ!!」

「そうか……まぁとりあえず良かった。じゃあ気をつけて帰れよ」


由紀は、去っていく一樹の後ろ姿を見つめていた。

「羽田一樹……か。ううん!!気を許しちゃダメ。アイツもきっと正体現すに決まってる」

……………
………


「あ〜疲れた。もう活動限界……」
――最後にアイツが言った言葉……淋しそうな顔してた…男が嫌いって事は、当然俺も嫌いな対象に入ってるけど、あんな表情したらまるで……助けてほしいとも読める……

「そんなわけないか……」

部屋着に着替えた一樹は、よほど疲れたのかそのままベッドに倒れ込み、一瞬で静かな寝息を立てた。