｢まずは、バケツに砂を入れて、水も少し入れるんだ。そしたら、上から叩く。叩いてごらん？｣

興味津々に見ていた幼稚園児も一緒になって叩く。

｢もう良いかな〜。ひっくり返してバケツを取れば……ほら、お城の土台が出来た♪｣

『うわぁ〜お城だぁ♪♪』

｢仲良く遊ぶんだよ〜｣
｢うん。ありがとうお兄ちゃん♪｣


再びベンチに戻ろうとすると、さっきまでは居なかった女の子がコッチを見ていた。
制服を着ている所、俺と年は近い。
｢メイ……ちゃん？｣

｢やっぱりカズくんだ〜。久しぶり〜｣
｢おわぁ〜びっくりした〜。いつコッチに？｣

メイちゃんは、俺より早い小2でこの町を出ている。もちろん帰ってきてるなんて全く知らなかった。

｢高校入学と同時に。お母さん達は海外だから１人暮らしだよ♪カズくんはいつ？｣

｢今帰ってきた。俺も親が海外で１人暮らし。これからもよろしくね｣
｢うんっ！｣