地獄のハーレム

作業部屋にこもった一樹は、時間も忘れひたすらに木材のパーツ作り...
気づけば放課後を向かえ、クラスメイトたちが様子を見に来た。

「羽田くん♪調子はどうかな?」
「やっと切る大きさに書き起こせた。明日からは放課後にカットするよ」
「すごいなぁ。やっぱり男の子はこうゆうの得意なんだね」
「子供のときからじいちゃんに叩き込まれたからね」

片付けを済ませた一樹が部屋を出ると、由紀が廊下で待っていた。
「一樹♪一緒に帰ろっ」
「あぁ。ずっと待っててくれたんだね。ありがとう」

「なになに~ずいぶん仲良さげじゃない?もしかして~?」
「もしかするかもな♪」

「きゃ~羽田くんに彼女が~♪」
「楽しそうで何よりだ」
「ほら、アホやってないで帰るわよ」

一樹の隣に寄り添うように由紀が並び、笑顔で歩き出した。

「じゃあ私はお邪魔そうだから先帰るね。じゃあ二人ともまた明日」
「バイバ~イ」
「気をつけてな」

「気遣わせちまったな...」
「一樹、作業部屋一旦戻ろ」
「忘れ物か?」

来た道を戻り、部屋へと入った二人・・・
「明日からここに篭りきりになっちゃうんだね」
「そうだな。みんなに喜んでもらうためでもあるけど、一番は由紀に喜んでもらいたいからな」
「一樹...」

放課後、誰もいない部屋でキスをした二人。
由紀は少しの寂しさを堪える覚悟を決めた。

「たまに手伝いに来てもいい?」
「お願いするよ♪」
「やった。じゃあ帰ろっか」
「おう♪」

すっかり帰るのが最後になってしまった二人はしっかりと手が繋がれていた。