「それじゃあ羽田くんの席は……窓際の一番後ろね」

――もう取り消しは出来ないってか……
「………はい」


「ありえなくない?」
「男だよ……」
「でも、ちょっと格好いいかも……」
「ないない!!絶対下心満載で入ってきたに違いないんだから」
「だよね〜」

――キツい……息が詰まる。いきなり全否定から始まる経験無いし……ってか事前に情報くれなかったのはこのせいか……
うぅ……みんなの視線が冷たくて痛い……
「どうすんだよ……俺」

窓の外の遠い景色を放心状態になりながら見つめる一樹。その間にも冷たい視線は送られ続けて、ようやく授業が終わった……

――女子高かよ……サッカー部何て無いだろうし、サッカー出来なきゃ国立だって夢のまた夢……

「カ〜ズ〜くん♪」
「……えっ!?メイちゃん?」


「びっくりだよ〜転校生がカズくんなんて。理事長ってカズくんのお婆ちゃんなんだね〜」
「俺も居るぜ♪昨日はありがとな」

「アケミ!?何だ……2人は友達だったんだ……」