メイが見てるとも知らずに商店街を歩く二人。鍛冶屋を見つけ、一樹は中に入った。
「すいませ~ん!!」

「おぉ羽田くん。もう身体は良いのかい?」
「はい。昨日退院しました。おじいさんにお礼が言いたくて。あの時、おじいさんが持たせてくれた刀のおかげでみんなを護る事が出来ました。ありがとうございました」

ーーあの時の一樹が使ってた刀……。おじいさんが打ったのかな。

「あのあと刀を理事長が届けてくれてな」
店の奥から持ってきた袋に入った刀。

「刀に名前をつける前でやっと決まったんだ。名を『大樹』。その一振りは大いなる夢を掴む。君の一樹の名前をいれたくてね。この刀……君が持っててくれないか?」

「刀を俺に?でもこれすっごく高いんでしょ?」
「君にふさわしい刀だ。もちろん金はとらん。君に持っていてもらいたいんだ」
「分かりました。大事にします」
「ありがとう」