一樹は目を閉じ少し間を置く。
「一樹!!誰も怖がってないぜ!みんなお前の帰りを待ってる!みんなも、一樹に声かけてくれ!!きっと一樹に届くから!」

「一樹様~帰ってきて~!!」
「みんな、あなたにお礼が言いたいの」
「せんぱ~い!!会いたいよ~!!」
「羽田くん!!早く戻ってこい。商店街も待ってるぞ!」

ーー良かった。みんな、ありがとう

「みんな、ありがとう♪俺も早く会いたいよ。そうだ!学園に行けば良いのか♪ちょっと待っててな‼」
カメラの前からジャンプで消えた一樹。体育館に居た全員にどよめきが広がり、誰しもアケミに説明を求める顔を見せた。

「よし、着いた!」
マイクを通して聞こえてきた一樹の声に、生徒達は周りを見回す。

「みんな~!!ただいま~!!」

ステージ横から現れた一樹に、全員大歓声をあげる。その様子は、アイドルのライブ会場を思わせるような熱気に包まれる。
『きゃあああ♪』

「凄いな。みんなの声、しっかり聞こえてたよ。今日は商店街の人達も来てるんすね」

ーー本当に良かった。あなたは救世主で、この学園になくてはならない存在。それが、私の孫……羽田一樹なんだ。

理事長はこっそり涙を拭い、戻ると笑顔で全員に混じり拍手を贈った。
「一樹様~ありがとう!」
「大好き~!!」
「先輩カッコいい~!!」